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2020.03.16

歯周病で歯が動く!?

歯周病の悪化で歯が動いてしまうことをご存知ですか?日本人の平均寿命が上がるとともに歯周病にかかっている患者さんが増えています。それとともに歯が動いてしまう患者さんも増えていきます。このことを歯の病的移動といいます。

歯周病の患者さんにおける歯の病的移動の発生率は30〜50%といわれていますが、中等度以上の歯周病の患者さんはさらに多く発生しています。

🦷原因

●歯周病による歯を支える骨の減少

●歯軋りや食いしばり

●歯と骨をつないでいる繊維の歯周病による破壊

●奥歯の噛み合わせが崩れたことによる前歯への負担

●歯の抜けているところが多い

●唇や舌の力の変化

などがあります。

🦷どのように起こるのか

健康な状態でも奥歯の4本は手前に少し傾いていることが多く、歯周病が進行するにつれ噛む力に耐えられず、より傾いてしまいます。傾きがひどくなると、押しやられた下の前歯がガタガタになり、上に伸びます。それにより、上の前歯が突き上げられ出っ歯のようになります。

🦷どんな問題が起こるのか

まず見た目の悪化が患者さん自身にわかりやすい症状ですが、他にもいろいろな問題が起こりやすくなります。

歯が傾くと歯ブラシが当てにくく磨き残しが多くなります。下の前歯がガタガタになるので歯間ブラシを入れるのが難しくなります。磨けないことにより歯の移動が更に悪化します。また、被せ物や入れ歯などをする必要がある場合はその治療が困難になることもあります。

🦷どうすればいいのか

わずかな歯の移動であれば歯周治療により改善することもありますが、歯並びの改善には矯正が必要になります。歯周病の患者さんはほとんどが中高年です。「今更矯正なんて、、、」と諦めてしまう方もいますが、健康志向や人生100歳時代と言われる現在、歯を残したい、、より健康でいたい、、美味しく食べたい、、いつまでも若々しくいたい、、という願望を叶えるために矯正治療を選択する必要もあると思います。しっかりと歯ブラシやフロス、歯間ブラシを使いお口の中がしっかり磨けていれば矯正治療による歯周組織の破壊は起こらないです。しかし、歯磨きが不十分な場合は歯周病の治療(徹底的なクリーニング)をしてから行う必要があります。