身体の中で一番硬いと言われる歯。それはいつ作られ、どのような因子で歯の質が決まるのでしょうか。今回は歯の質について紹介します。
🦷歯はどのようにできる?🦷
実はお母さんのお腹にいるころから歯は作られています。
●妊娠2ヶ月:将来の乳歯、上顎、下顎、舌になる部分が形成され始める。
●妊娠3〜4ヶ月:下顎の粘膜が分厚くなって、なんとなく歯のように見える形態になる。そしてエナメル質と象牙質を作る細胞が現れる。将来の永久歯(一部)になる部分も形成され始める。
●妊娠4〜6ヶ月:エナメル質と象牙質が石灰化していき歯冠(歯茎から出ている部分)が完成してくる。
●出生時〜:将来の永久歯が石灰化し始める。
●3歳〜小学校低学年:永久歯の歯冠が完成してくる。
妊娠がわかった頃にはもう歯の芽は出来始めているということですね。
🦷歯の質に異常があると🦷
上記のように、妊娠3〜4ヶ月に現れるエナメル質と象牙質を作る細胞が母親から供給されるカルシウムやリンを使い歯を作ります。その細胞に異常が起きると正常な歯を作れません。また、この時期に母親がテトラサイクリンの抗菌薬を服用すると変色歯となってしまいます。
歯の芽が作られている時の異常は「矮小歯」「癒合歯」、歯の質を作るときの異常は「エナメル質形成不全」「象牙質形成不全」「斑状歯」「変色歯」が出来てしまいます。
🦷強い質の歯を作るには🦷
妊娠初期から小学校低学年くらいまでが歯が作られる期間なので、永久歯の歯冠が作られる乳幼児期から小学校低学年までは“歯の質”を決定するとても大事な時期です。
この時期にカルシウムやリンなどをきちんと摂取すれば強い歯を作ることができると言えます。
🦷歯が生えた後は🦷
生えたばかりの乳歯や永久歯は石灰度が低く、奥歯の噛む面がまだすり減っていないため汚れが溜まりやすく虫歯になりやすいです。更に乳歯は永久歯よりもエナメル質の厚さが半分でもっと虫歯になりやすいです。
そのため定期的に検診を受けてフッ素を塗ることが大切となります。